2017年12月21日木曜日

四国大学事件 大学オンブズマン声明 学校法人四国大学は徳島地裁の判決に従うとともに、女性准教授に謝罪せよ 2017年12月20日

 報道によれば、学校法人四国大学(徳島市、佐藤一郎理事長)に対して、うつ病を発症したのは長時間労働(使用者の安全配慮義務違反)が原因であるとして損害賠償を求めた女性准教授の訴えが認められ、休職中の賃金や慰謝料など1395万円の支払いが命じられた。
 判決文では、以下のような趣旨のことが述べられている。

1.安全配慮義務違反の有無について
被告(学校法人四国大学)が、原告(女性准教授)の業務の遂行により、過度の疲労や心理的負荷を蓄積し、心身の健康を損なう状況にあることを具体的に予見することができるものと認められる。しかるに、被告は、原告の業務量等を適切に調整するための措置を何ら講じず、また被告において適切な措置を講じなかったのであるから、被告には原告に対する安全配慮義務違反があると認められる。
2.本件疾病の悪化について
 被告代表者は、2012年年3月15日、面談において、原告に対し、現状では原告が准教授としての職務を遂行できないことから、一定期間休職し治療に専念するため、休職願を提出するか、准教授としての職務が全うできるという診断書が提出されなければ、退職してもらうという判断をせざるをえない旨告げた。
 当時、原告は、本件疾病に罹患して治療中であったのであり、かかる原告に対し、休職か退職かの選択を求める上記発言は原告に対し、強い精神的負荷を与えるものであったといえる。
 被告代表者において、本件疾病が原告の長時間労働等の被告における業務に起因するものである蓋然性は予測可能であったと言わざるをえないことも考慮すれば、被告代表者の上記行為は、原告に対する安全配慮義務に反する行為があったと認められる。
3.安全配慮義務違反と本件疾病との因果関係
2009年度における過重な業務量に起因する原告の早朝から深夜までに及ぶ常態化した長時間労働は、原告に相当程度の疲労の蓄積を生じさせるものであったといえる。また、原告がほぼ1人で担当していた本件実習のカリキュラムは、四国大学で初めての看護学実習であり、当該カリキュラムが成功しなければ、下級生の実習に影響が出るものであり、その重要性から、その準備には相当程度の精神的負荷を伴うものであり、また、原告は様々な委員会に所属し、委員として活動を行っていた他、一定の責任を伴う看護学科の副主任としての業務にも従事していたのであり、原告の業務は質的にも過重であったというべきである。
以上のように、原告の業務は、量的にも質的に、過重なものであり、原告の心身の健康を損なうおそれが十分になったものといえるところ、原告の心身の健康を損なわないようにするための措置がとられない中で、原告は本件疾病を発症したものであるから、本件疾病は、原告の業務に対する被告の安全配慮義務違反により生じたものと認めるのが相当である。

 当オンブズマンは学校法人の対応は極めて悪質であると考え、学校法人四国大学のありようを早急に是正することを求めて、①当該准教授の職場復帰に向けて、法令にのっとり適切に使用者責任を果たすことと、②当該准教授が起こした裁判をいたずらに長引かせず、訴えの内容を受け入れた和解を含め誠実に対応することを要望した(別項、2016620日付の「声明」を参照)。
 このようなことからわれわれは、徳島地裁の判決を歓迎するとともに、学校法人が判決に従うことと、当該の女性准教授に謝罪することを強く求める。
 残念ながら学校法人四国大学は、判決を不服として控訴した。女性准教授ならびにご家族は当局の不誠実な対応によって、心身を大きく傷つけられている。われわれは、改めて学校法人の倫理的な対応、社会的な責任が改めて問われていることを厳しく指摘する。今後も当オンブズマンは学校法人四国大学に対する社会的な監視を強めていく所存である。

以上

【資料】
学校法人四国大学における重大な法令違反・人権侵害の是正を求める声明
2016620日 大学オンブズマン

 報道によれば、学校法人四国大学(徳島市、佐藤一郎理事長)が設置する四国大学は、徳島労働基準監督署によって労働安全衛生法の疑いで徳島地方検察庁に書類送検された。内容は、労災認定された、同大学に勤務する准教授に関する労働者死傷病報告書の提出を怠っていたというものである。
 当該准教授は20136月に徳島労働基準監督署から、うつ病を発症したのは長時間労働(直前の1か月の時間外労働は160時間を超える)による強いストレスが原因として労災認定されている。自らの責任によって被雇用者にうつ病を発症させながら、適切な対応を取っていなかったことは重大な法令違反であり、きわめて深刻な人権侵害である。
 『徳島新聞』2016527日によれば、大学は「指摘を受けるまで義務づけられていることを知らなかった。労災保険の申請手続きには対応しており、労災を隠す意図はなかった」述べているとのことであるが、大学を含め組織の社会的責任が強調されるもとで、信じがたい対応である。
 労災認定後の四国大学の対応を見ていれば、この言をそのまま受け取ることはできない。学校法人四国大学は、健康状態が回復した当該准教授の復職の求めに対して、あれやこれやの理由をつけて拒否するという人権侵害を行っている。また、労働基準監督署の指導にしたがって、ハラスメントを生じさせない職場環境づくりに取り組むことも進んでいない。さらには、当該准教授が労災認定され給付を受けていることを知りながら社会保険(私学共済)の資格喪失手続きを行うという非人道的なことを行った。
 大学は「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」(学校教育法、第83条)場である。同じく大学は「その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする」(同、第83条の2)とされている。ブラック企業が社会的な問題となっているもとで、大学はよりいっそう社会の範となることが要請される。
 学校法人四国大学のありようは早急に是正される必要がある。当オンブズマンは、学校法人四国大学に以下の2点の対応を早急に行うことを強く求める。
   当該准教授の職場復帰に向けて、法令にのっとり適切に使用者責任を果たすこと。
   当該准教授が起こした裁判をいたずらに長引かせず、訴えの内容を受け入れた和解を含め誠実に対応すること。


以上

2017年12月20日水曜日

准教授のうつ病労災訴訟、四国大学側が控訴 朝日新聞社

長時間労働や人間関係のストレスでうつ病を発症し、労災認定された四国大学看護学部准教授の女性(47)=休職中=が同大学に損害賠償を求めた訴訟で、大学側は14日、大学に安全配慮義務違反があったとして1395万円の支払いを命じた徳島地裁判決を不服として、高松高裁に控訴した。大学は「手続き中なので詳細はコメントできない」としている。
https://www.asahi.com/articles/ASKDH4FCPKDHUBQU00R.html

2017年12月17日日曜日

四国大学事件 看護学部女性准教授、長時間労働でうつ病発症 四国大側に賠償命令 NHK、産経新聞社ほか



徳島市にある四国大学の女性の准教授が「うつ病を発症したのは職場での長時間労働などが原因だ」として大学に2100万円余りの損害賠償を求めていた裁判で、徳島地方裁判所は「准教授の心身の健康を損なわないようにするための措置が取られていなかった」などとして大学側におよそ1400万円を支払うよう命じました。


この裁判は、四国大学看護学部の47歳の女性の准教授が「自分がうつ病を発症したのは、長時間の勤務を強いられたことや職場での人間関係によるストレスが原因だ」などとして大学を相手取り2100万円余りの損害賠償を求めているものです。

大学側は、「准教授の業務は格別多いわけではなく、働く時間についても自らの裁量でコントロールすることができた」などと主張して争っていました。

判決で徳島地方裁判所の川畑公美裁判長は「過重な業務によって早朝から深夜までに及ぶ長時間労働が常態化し、准教授に相当な疲労の蓄積を生じさせていた」と指摘しました。
その上で「心身の健康を損なわないようにするための措置が取られない中で准教授がうつ病を発症したのは、大学が安全に配慮する義務に違反していたことによって生じた」などとして准教授の主張の多くを認め、大学に対し、うつ病による休職で得られなかった分の給与などあわせておよそ1400万円を支払うよう命じました。

判決について准教授側の弁護士は「准教授には責任の重い多くの仕事があり、勤務時間について大学として無関心でよいわけではなく、配慮する義務があることが認められたのは重要だ」と話しています。
一方、四国大学は「判決文を見ていないのでコメントは差し控えたい」としています。

NHK
http://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20171213/8020000852.html

長時間労働が原因でうつ病を発症したとして、四国大(徳島市)の看護学部に勤める女性准教授(47)が大学側に計約2145万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、徳島地裁は13日、計約1395万円の支払いを命じた。
 川畑公美裁判長は判決理由で「准教授が過度の疲労や心理的負荷を蓄積して、心身の健康を損なう状況にあることは予見できた」と指摘。うつ病は、大学を設置する学校法人の安全配慮義務違反によって発症したと認めた。
 判決によると、准教授は平成21年度、講義や研究、複数の学内委員のほか、開設直後の学部の実習準備や入試などの業務で恒常的に長時間労働をしていた。准教授は22年3月にうつ状態と診断され、25年6月に徳島労働基準監督署に過重労働による労災と認定された。現在休職している。
 四国大は「判決文を見ていないのでコメントを控える」としている。

判決報道1産経http://www.sankei.com/west/news/171213/wst1712130093-n1.html

長時間労働や人間関係のストレスが原因でうつ病を発症したとして、四国大学看護学部准教授の女性(47)=休職中=が、大学に2145万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、徳島地裁であった。川畑公美裁判長は大学の安全配慮義務違反を認め、休職中の給与や慰謝料など計1395万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性は2008年4月に講師に採用され、09年度新設の看護学部の業務などを担当。早朝から深夜の勤務が常態化し、不眠などの症状が出て10年3月、うつ状態と診断された。仕事を休んだり復帰したりする状態になり、13年6月に徳島労働基準監督署に労災認定された。認定では時間外労働が175時間を超えた月もあった。
 判決では、大学側は「業務量を適切に調整するための措置を講じなかった」と判断した。また12年3月、理事長が女性に対し、自己都合による休職願いか、職務を全うできるという内容の診断書のどちらかを提出するよう求め、できなければ退職するよう迫った。このことも女性に強い精神的負担を与え、安全配慮義務違反に当たると指摘した。
 女性の代理人の弁護士は判決について、「裁量労働の大学教員でも、本人の裁量が限られていたケース。教員の健康に対して大学の義務を認めたことは大きい」と評価した。大学側は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。
判決報道2 朝日新聞http://www.asahi.com/articles/ASKDG3TS5KDGUBQU00P.html?iref=pc_extlink

2017年9月7日木曜日

常葉大学事件 地位保全から延べ10名以上の裁判官が関わり高裁で解雇無効、判決文公刊されました・判例ジャーナル各誌(旬報社刊)

リンク:判例雑誌https://www.roudou-kk.co.jp/books/jlc/4974/
リンク:判例雑誌2http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/1193


労働事件簿:雑誌「常葉学園事件」第1294回 (前半) 

―公益通報の真実相当性はどこまで求められるのか 
文・西澤美和子(弁護士) 

1 はじめに
Mさんにとうとう懲戒解雇通知が出ました。」との連絡が東京の宋昌錫弁護士から当事務所に入ったのは,平成27年2月のことでした。恐れていた事態が現実になってしまったのです。Mさんが懲戒解雇されるに至る経緯をお話するには,平成21年まで遡らなければなりません。Mさんは,まさに,十年戦争といえる過酷な道を辿ってきたのです。
 Mさんは,学校法人常葉大学(旧常葉学園。以下「学園」)が運営する常葉大学短期大学部(以下「短大」)の准教授である40代の男性です。学園は,静岡県内で幼稚園から大学院までを広く経営しており,県内では最大規模の名の知れた学校法人です。
 冒頭の懲戒解雇通知が出るまでの間は,宋弁護士が代理人に就き,懲戒手続きにおける弁明等をサポートされていました。当事務所でも相談を受けていたのですが,懲戒解雇通知が交付されたことで,いよいよ法的手段が必要となり,静岡の弁護士も代理人に加わることになりました。弁護団は,宋先生に加え,西ヶ谷知成弁護士,白山聖浩弁護士,私の4名です。
  本件は,事案が非常に複雑ですので,4つのキーとなる出来事,「①補助金問題,②平成22年6月の強要行為,③平成24年8月の刑事告訴,④平成24年12月の公益通報」があることを念頭にお読みいただければと思います。

2 補助金問題
Mさんが,初めに学園で「おかしい」と思う出来事に出会ったのは,平成14~16年頃のことでした。当時の学生から,コンピューターの授業の担当とされているK教授を授業で見たことがないという話を聴いたのです。授業は,代わりに助手が一人で行っているようでした。教授が授業を行っていないとすれば,文部科学省から補助金をうける要件を満たさなくなります。Mさんは,当時,学内の教務委員として,補助金申請の元となる資料を作成する仕事をしており,自分のしていることが補助金の不正受給につながっているのではないかとの不安を抱きました。しかし,親族経営の色が濃い学園内で,理事長の親族であるK教授を糾弾することは,赴任したばかりのMさんには躊躇われました。その後,K教授は,系列の学校に異動となりましたが,この問題はMさんの心の中に燻りつづけていました。
ところが,平成21年に,K教授が再び異動で短大に戻ってくるとの話が持ち上がったのです。Mさんは,二度と疑わしい行為に荷担したくないと思い,担当職員に対して,「K教授が自分で授業をしないのであれば,補助金関係の資料は作成しない」ということを告げました。また,K教授の補助金問題について独自に調査を始めました。
 Mさんの周りの雲行きが怪しくなったのは,この頃からです。あるとき,Mさんは,学園の音楽祭で割り振られた仕事の集合時間に遅刻をしてしまいました。このことを,補助金問題の張本人であるK教授らから多数の教職員の面前で,何度も厳しく叱責されたのです。Mさんの人格を否定するような発言(*「人間のクズ」・・補足)もあり,Mさんはうつ状態となってしまいました。
 Mさんは,上司の叱責をパワハラとして,学内のハラスメント委員会に申し立てました。そして,補助金の問題と音楽祭での過剰な公開叱責は関連しているのではないかと考え,ハラスメント委員会の調査に対して,K教授の補助金不正受給について問題意識を持っている旨の報告をしました。また,平成22年5月には,ハラスメント防止のポスターを学内に掲示するよう依頼する手紙を学園理事長及び短大学長に出しました。


3 強要行為
 決定的な出来事が起きたのは,理事長と学長に手紙を出した「直後」です。ある日,Mさんの研究室を「学園の危機管理担当」を名乗る男性(O氏)が突然訪ねてきました。Mさんと全く面識のないその男性は,「元警察官」であることを告げ,「暴力団と,僕の場合は,政治家,あと公務員を専門にやっている人間だもんで。それひとすじでやってきている。いろんな面じゃ顔は利くと思うからね。」などと,政治家や暴力団にコネクションがあることを伝えてきました。また,Mさんがパワハラの問題について,ハラスメント委員会の委員長に何度もメールを送ったことで,委員長が体調を崩したとして,メールを出すことが傷害罪にあたるなどの話をしてきました。Mさんは,元警察官で暴力団ともコネクションがあるという人物から,自らの行為が犯罪になるなどということを告げられ,恐ろしくなると同時に,理事長や学長がO氏を派遣して,自分の行動を押さえ込もうとしていると感じました。
 Mさんは,O氏の行為について,労働局の指導なども通じて,理事長や学長に抗議しましたが,取り合われることはなく,むしろ,O氏の行為を正当視する発言があったり、O氏が昇進するほどでした。
 Mさんが学園に対する不信感をますます強めていくなか,Mさんは,系列の高校の野球部でおきたいじめ事件への対応にもO氏が関係しており,O氏によりいじめ事件が隠蔽されようとした旨の報道に接します。Mさんは,自分だけでなく,ほかにもO氏が関与して強引な解決を迫られた当事者がいることを知って衝撃を受け,学園が組織的な隠ぺい体質を有していると考えるようになりました。

4 刑事告訴
そこで,Mさんは,O氏,理事長及び学長を強要罪で刑事告訴するという行動に出ました。これが後に,「虚偽の告訴である」として懲戒の理由とされたのです。
 Mさんは,検察庁に証拠(O氏との会話の録音)を示した上で,検察事務官との綿密な打ち合わせを経て告訴を行いました。検察事務官も,O氏との会話内容を把握した上で,積極的に告訴状の書き方などをアドバイスしてくれましたので,Mさんは,よもやこれが虚偽告訴の誹りをうけることとなろうとは思いもしていませんでした。(後半は今後検討)

後半…(危機管理担当の前職とは?その言動やその後の学園の驚くべき対応とは?、理事長らも容認してやっている組織的なもみ消しではないかと内部告発者が考えた理由とは?「労働法律旬報第1894号」2017年8月25日発売)http://www.junposha.com/book/b324649.html


常葉大学短大部補助金問題通報に関する当時の新聞、テレビ報道(抜粋)TBS系列 2013年SBS













教授は授業には出ていないと自ら証言。

2017年7月17日月曜日

常葉大学裁判、当初の懲戒解雇、翌年の普通解雇についての東京高裁判決について

静岡地裁に続いて東京高裁でも「不当解雇」が認定された学校法人常葉学園は、
巻口勇一郎先生をただちに職場に復帰させるとともに、学園の民主的運営を図れ
2017716日 大学オンブズマン・巻口勇一郎先生を支援する全国連絡会
労働組合法人全国大学人ユニオン執行委員会      

東京高等裁判所は2017713日、常葉大学短期大学部・巻口勇一郎准教授が学校法人常葉学園(以下、当局)に対し、「労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」などとする判決を出した。巻口先生と当局の控訴はいずれも棄却されたが、静岡地裁で認められた巻口先生の基本的な主張は維持されている。
当局は昨年10月に巻口先生を「普通解雇」するという不当な行為を行い、賃金と研究費の支払いを停止しているが、高裁判決にしたがって巻口先生をただちに職場に復帰させるとともに、学園と設置する学校の運営を民主化するよう求める。言うまでもなく大学、そして学校法人は極めて高い公共性を有している。法令順守は当然のこと、倫理性においても高い見識が求められるからである。
当局は「不当解雇」を行ったうえ、裁判費用を学園財政から支出することは二重の意味において許されない。私立大学の財政は学生の学費に依存するだけでなく、国庫助成(私学助成)も投入されている。本来、自らの非を認めさえすれば簡単に済む話であった。地裁、高裁の裁判に多額の費用を支出したことは、決して社会的な支持を得られることはないであろう。
巻口先生の支援の輪は静岡県内の大学や労働組合などにも広がっている。それは、当局の対応がいかに不当であるかの証左である。当局が今後も不当なことを繰り返すのであれば、社会的な信頼をさらにいっそう失ってしまうことを懸念する。

巻口先生の裁判は、表面上では一人の大学教員の身分(雇用)を争うものであるが、本質的には大学の公共性を厳しく問うものである。この点を最後に指摘するとともに、われわれは、学校法人常葉学園の経営を今後も厳しく問うていく決意を表明する。